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 宮崎県小林市の郷土史研究グループ「小林史談会」の年会誌「ひなもり」が60号となった。1960年に創刊され、途中で1年だけ休刊があったものの、会員たちは約60年間、地道に発行を続け、郷土史を記録する貴重な役割を担ってきた。

 会の前身は52年に結成された「小林郷土史会」。小林市職員で市史編纂(へんさん)にも携わった故・志戸本耕道(次助)氏が代表として組織したという。58年、現在の名称に改称された。

 「ひなもり」創刊号には志戸本氏の「史料保存について」という論文に加え、「霧島山周辺の神社と黒木家のこと」「十五夜の綱引きの由来について」などが掲載されている。年会誌の名称は、霧島連山の名峰、夷守(ひなもり)岳(1344メートル)から取ったという。

 会員は今、約50人。70~80代が中心だという。7代目会長の齊藤勉さんが今年3月に84歳で死去した後、8月から加藤建夫(たてお)さん(75)が8代目会長に就いた。加藤さんは、小林市と合併(2006年)する前の須木村長を2期約6年務め、須木地区の地誌に詳しい。約5年前に史談会に加わり、今号には「農業被害はなぜ起きた 消えた須木の原生林」と題する論考を寄せた。

 今号には、齊藤さんの遺稿2本も掲載されている。うち1本は「霧島山麓(さんろく)に生きる」と題した長期連載の13回目で、南北朝の争乱について詳述している。

 他に「九州における源平合戦終焉(しゅうえん)の地」(園田隆さん)や「ご先祖さまをたずねて 第2回」(堀之内修さん)など力作が多い。

 史談会は年1回の総会、月1回の理事会に加え、市内の名所古跡などを巡る研修会も実施している。今年はコロナ禍で活動がやや停滞したが、昨年は野尻地区の磨崖仏や城跡、関所跡などを見て回ったという。

 加藤会長は「私たちの古里も波乱を乗り越えてきた。そんな古里の歴史を次の世代に伝えていきたい。とくに歴史を通じて小中学生や若者たちとの交流を深めたい」と話す。

 今号はB5判165ページで約300部発行。1冊1千円で販売中。問い合わせは事務局の山下景子さん(080・5248・2663)へ。(神谷裕司)

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