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 日中戦争のさなかに起きた、旧日本軍による南京事件から83年となる13日、中国江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で、犠牲者の追悼式典が開かれた。2018、19年に続き、今年も習近平(シーチンピン)国家主席ら共産党最高指導部メンバーは出席せず、対日関係への配慮をうかがわせる式典となった。

 1937年12月13日、南京を陥落させた日本軍は、一般市民や捕虜を殺害するなどした。犠牲者数を中国側は「30万人」と主張するが、2010年に公表された日中両国の有識者による歴史共同研究委員会の報告書で、日本側は「20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がある」とした。

 13日の式典で演説した陳希・党組織部長は「30万人の同胞が殺戮(さつりく)された事実の改ざんは許されず、全人類の痛ましい記憶だ」など、中国側の主張に沿って事件を厳しく批判した。一方、「私たちは新しい時代の要求に合った中日関係の構築を望んでおり、両国の平和、友好、協力の発展促進に尽力したい」と、両国関係の重要さも強調した。

 例年の式典は約1万人が参列しているが、今年は新型コロナウイルスの感染予防措置として、参列者を3千人程度に制限した。(南京=宮嶋加菜子)