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 イスラエルのネタニヤフ首相は9日、新型コロナウイルスのワクチンの国民への接種を月内にも始めると発表した。接種を受けた人にはイベントや商店などへの出入りを可能とする「グリーン・パスポート」を発行する計画も明かした。

 イスラエルには9日、米製薬大手ファイザーのワクチンが初めて航空便で到着した。空港で出迎えたネタニヤフ首相は「感染の終わりが見えてきた。重要なのは数百万人のイスラエル人が接種を受けることだ」と呼びかけ、「国民の先例として、イスラエルで初めての接種を受けたい」と自らが国内一例目となる意向を示した。

 地元メディアによると、20日にも国内での承認を終え、ネタニヤフ氏や保健相が一例目として接種を受ける見通し。その後、1日6万人のペースで国民への接種を進める予定だという。保健省は、接種を受けた人に対して「グリーン・パスポート」を発行し、カードやアプリ画面を見せることで、イベントや商店への出入りを可能とする計画も進めている。ネタニヤフ氏は「ワクチン接種を促進し、素早く日常を取り戻す助けになる」と期待を語った。専門家は、3~4月ごろには国民の6割に接種が済み「経済を再開して通常に近い生活に戻れる」との見通しを示している。

 人口約900万人のイスラエルでは、これまでに34万人以上が感染。最近は1日1千人以上の感染者が出て増加傾向にあり、専門家は「第3波の始まりにいる」と警戒している。政府はファイザーから800万回分のワクチンを調達する予定に加え、別の複数の製薬会社とも契約済みだという。(エルサレム=高野遼)