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 新中国大使として北京に着任した垂(たるみ)秀夫氏(59)が、北京の日本大使館で11日に記者会見を開いた。垂氏は「日中関係は最重要の二国間関係だ。主張や立場の違いはあるが、安定した関係を構築する以外に選択はない」と述べ、是々非々の姿勢で対中外交に臨むことを強調した。

 垂氏は外務省内で「チャイナスクール」と呼ばれる中国語研修組出身で、中国勤務の経験も長い。大使就任は「積み重ねてきた知見、経験、人脈をしっかり発揮する機会だと考えている」とし、最重要任務として邦人保護と日系企業の支援を挙げた。

 一方、沖縄県・尖閣諸島を巡る対立は「国際法的にも歴史的にも日本に主権があることは明確だ」と主張。日本社会の対中感情悪化については「一義的には中国政府が取り組む問題だが、必要な協力は行っていく」と語った。

 垂氏は11月26日に着任し、新型コロナウイルス対応のため今月9日まで大使公邸で隔離生活を送った。習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日については「まずは新型コロナの収束が最優先であり、具体的な日程調整を行う段階にない」と明言を避けた。

 習氏が11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で意欲を示した環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟については、「TPPが求める高いレベルのルールを中国が満たすかどうかをしっかり見極めたい」とした。(北京=冨名腰隆)