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 大型クレーンが昼夜稼働し、工事が進む。東京ディズニーシー(千葉県浦安市)に、2023年度にオープン予定の新エリア「ファンタジースプリングス」の建設現場だ。

 「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーター・パン」が題材で、日本独自のアトラクションを四つ導入する。投資額は過去最大の約2500億円(ディズニーシーを除く)。開発面積は約14万平方メートルで、完成後はシーが約2割広くなる。

拡大する写真・図版映画「アナと雪の女王」を舞台にしたエリアのイメージ。エルサが氷の魔法を受け入れた後の平和な世界が広がる。城の中にはレストランができる予定=オリエンタルランド提供

 アナ雪エリアでは、主人公のアナとエルサが生まれ育ったアレンデール王国が再現され、音楽を聴きながらボートに乗って名場面をめぐるアトラクションも登場する。

 アナ雪は2014年に劇場公開されると、興行収入は日本で歴代3位を記録し社会現象となった。運営会社オリエンタルランドのアンケートや市場調査でも圧倒的人気だ。開発担当者は「イベントやショーの反響が大きく、園内でアナやエルサのドレスを着ている子も多い。強いコンテンツです」と、新エリアに選んだ理由を明かす。

 映画では、助けてくれる王子さまは登場しない。姉妹が力を合わせて運命に立ち向かう、自立した女性像を描いている。

拡大する写真・図版ディズニープラスで配信中の映画「アナと雪の女王」=(C)2020Disney

 「他のたくさんの映画の女の子は王子さまが現れて幸せにしてくれるのを待っているわ。でも現実はそうじゃない、全然ね」。アナ役の声優クリスティン・ベルさん(40)は、ディズニープラスで配信中のドキュメンタリー「アナと雪の女王のすべて~新しい冒険~」でこう語っている。

 物語は社会的マイノリティーの人たちも引きつけた。映画では魔法の力を隠していたエルサが、それを受け入れ、自らを解放する。その姿や主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」の歌詞が、LGBTQ(性的少数者)など、悩みを抱える若者からも共感を呼んでいる。

 社会で生きづらさを感じている都内の大学4年生、西崎梨奈さん(22)は「エルサに深く共感した。物語に勇気づけられた」と、新エリアの完成を心待ちにしている。

拡大する写真・図版アナ雪ファンの西崎さん=2020年9月、東京都、佐藤瑞季撮影

 変化を続ける東京ディズニーリゾート。ディズニーの創業者ウォルト・ディズニー氏はこんな言葉を残している。「パークは永遠に完成しない。世界に想像力がある限り、成長し続けるだろう」(佐藤瑞季)