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 東京・池袋で昨年4月、乗用車を暴走して母子を死亡させたなどとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(89)の公判が14日、東京地裁であった。無罪だとする弁護側は「減速しないので足を上げてアクセルを目視し、もう一度ブレーキを踏んだら抜けたような感じがした」と述べ、車に欠陥があった可能性を主張した。

 検察側は、飯塚被告はアクセルとブレーキを踏み間違え、赤信号だった交差点二つに最高時速96キロで突っ込んだと指摘している。

 弁護側はこの日の冒頭陳述で、アクセルを踏んでいないのに車が加速し始めたと説明。「ブレーキを何度踏んでも減速せず、パニックに陥った」とし、最初の交差点で自転車をはねた直後、アクセルを目視で確認してからブレーキを踏んだと反論した。そのうえで「車を制御する電気系統のトラブルがあった可能性は否定できず、過失は認められない」と訴えた。

 二つ目の交差点では、自転車で横断中だった松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)がはねられて死亡した。閉廷後、夫の拓也さん(34)は「決めつけはよくないが、私には被告の勘違いとしか思えない。罪と向き合ってほしい」と話した。(根津弥)