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 甘くない炭酸水が売れている。コロナ禍を背景に、在宅勤務中のリフレッシュや家飲み向けといった「巣ごもり需要」が膨らんでいる。新商品も相次ぎ、ことしの販売数量は過去最も多くなる見通しだ。

 シェアトップは、アサヒ飲料の「ウィルキンソン タンサン」。1~11月の販売数量は、前年の同じ時期に比べて11%増。過去最高だった昨年を、すでに上回った。

 無糖炭酸水の好調はウィルキンソンに限らない。

 調査会社、富士経済の9月の発表によると、国内市場は右肩上がりが続き、ことしは過去最高の659億円を見込む。前年より4%多い。清涼飲料水の全体で5%減を予想する中、その好調は際立つ。

 もともと健康志向が追い風になってきた。コロナ禍で家で過ごす時間が増え、ウイスキーや焼酎を割る需要も伸びた。お茶のように家で簡単につくれず、好調の食品スーパーなどを主な販路とすることも、売れ行きを支えている。

 「コロナで変わった生活様式は、これからも大きく変わらない。当面、市場は伸びる」。アサヒ飲料の米女太一社長は、そう見る。

 新商品も効いている。

 キリンビバレッジは無糖の「キリンレモン」を6月に発売。年間目標の60万ケースをすでに超えた。

 サントリー食品インターナショナルは「サントリー天然水 スパークリング」のシリーズに、2種類を加えた。6月にジンジャー風味、9月にはぶどう風味。シリーズ全体の年間の販売数量は、過去最も多くなる見通しだ。家で使いやすいよう、大容量ボトルの無糖炭酸水も検討していく。

 ラベルを貼らない商品も投入している。

 アサヒやサントリー、「ザ・タンサン・ストロング」を扱うコカ・コーラボトラーズジャパンは、ことし、ラベルレス商品をネット通販限定で相次いで売り出した。メーカーは使う資源を減らすことができ、消費者は、ごみの分別のためにラベルをはがす手間を省ける。

 飲食店向けの無糖炭酸水は、コロナ禍を背景に振るわないが、飲料メーカーへの影響は大きくない。居酒屋などの飲食店では、炭酸ガスを仕入れて炭酸水を自前でつくっているところが多いためだ。(若井琢水)