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 新型コロナウイルスの感染者数、死者数ともに世界最多となっている米国で14日、ワクチンの接種が始まった。米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが開発していて、英国ではすでに接種が始まっている。パンデミック(世界的大流行)の収束に期待が高まるが、接種率や途上国への公平な配分には課題が残る。

 ニューヨーク州では午前9時過ぎ、ロングアイランド・ジューイッシュ医療センターの看護師サンドラ・リンゼイさんが最初にワクチンの接種を受けた。「気分は良い。とてもつらい日々の終わりの始まりになることを願っています」と話した。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ファイザーのワクチンは英米のほか、バーレーン、カナダ、メキシコ、サウジアラビア、クウェートなどで使用が認められている。中国は自国企業がつくったワクチンの一部接種を始めているほか、アラブ首長国連邦(UAE)が中国国営シノファームのワクチンを承認した。ロシアもロシア製ワクチン「スプートニクV」の接種を始めている。

 ワクチンの長期的な効果と安全性は未知数だ。そのうえで、接種率への懸念が指摘されている。ワクチンは感染した際の重症化予防など、個人への効果も期待されている。一方、世界保健機関(WHO)は、人から人に感染が広がる状況を止めるには、世界の人口の60~70%が免疫を獲得する必要があるとしている。ワクチンの有効性が80%だと、人口の75~90%の接種が必要になるとの試算がある。

 だが調査会社イプソスなどによると、主要な15カ国の16~74歳計1万8千人以上を対象にしたオンライン調査で、「新型コロナウイルスのワクチンができたら接種したい」と回答した人は、8月の77%から10月は73%に減った。米国は67%から64%に、英国は85%から79%、日本でも75%から69%に減った。

 「接種しない」という人は、副反応の心配や、治験があまりに早く進んだことへの懸念を主な理由にしている。日本では62%が副反応への懸念を挙げた。ロシアや中国など一部の国が最終治験の結果が出る前にワクチンの接種を始めたり、大統領選前の実用化をめざした米トランプ政権のように、規制当局の食品医薬品局(FDA)に圧力をかけたりするなど、承認審査のプロセスが揺らいだことも、ワクチンの信頼性を傷つけた。

 さらに、欧米では、ワクチンは政府が人口を減らすための陰謀だなどとする陰謀論がソーシャルメディア上で広がり、「反ワクチン」のデモも頻発している。英NPO「反デジタルヘイトセンター」(CCDH)によると、反ワクチンを主張する英語のSNSアカウント409件のフォロワーは5800万人にのぼる。上位147アカウントのフォロワー数は、昨年から19%も増えたという。

 接種が始まっている英国も含め…

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