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 菅義偉首相は14日、観光支援策「Go To トラベル」をめぐり、28日から来年1月11日にかけて全国一斉に停止する、と表明した。東京都や名古屋市での停止や自粛要請を検討していたが、年末年始を集中的に感染拡大を抑える期間と位置づけ、一気に対象地域を広げた。

 首相は14日夕、新型コロナウイルスの政府対策本部で「全国の感染者数は高止まりの傾向が続き、感染拡大地域が広がりつつある」との認識を示した。そのうえで、感染拡大阻止や医療機関の負担軽減を挙げながら「最大限の対策を講じる」として、全国一律の停止を表明。1月12日以降については「その時点での感染状況などを踏まえ、改めて判断する」とした。

 年末年始は、帰省や初詣などのイベントで人が移動したり、集中したりすることが想定されている。政府は、分科会の提言を受け、年末年始の休暇の分散取得を業界団体などに促してきた。だが、感染拡大が収まらない状況で年末が迫ってきたため、全国一律の停止に踏み切った。

 政府の説明によると、全国一律の停止について、利用者が今月24日までに申し出れば、キャンセル料がかからないようにする。旅程の一部に停止期間が含まれている場合は、全日程を補助の対象外とする。

 政府は、札幌・大阪の両市を目的地とする旅行を停止し、両市発の旅行は自粛するよう求めてきた。東京都でも高齢者らに自粛を要請していた。最終的に全国での停止を判断したため、それまでの間、東京都・名古屋市では、全住民を対象とした札幌・大阪両市と同様の停止措置・自粛要請を実施。札幌・大阪はこれまでの措置を延長する。

 政府の分科会の尾身茂会長は11日の記者会見で、北海道、東京都、大阪府の一部地域が4段階の感染状況のうち上から2番目に深刻な「ステージ3」に当たるとの認識を示し、トラベルの一時停止を求めていた。首相の一律停止表明後、記者団に「国と自治体の『何とか乗り越えよう』という強い意思の表れだと思っている」と述べた。

 一方、首相は対策本部後、緊急事態宣言を再び出すことを検討しているのかと記者団に問われたが、「していません」と否定した。(中田絢子、山本知弘)