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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた今季のプロ野球をめぐり、12球団の社長らが朝日新聞の取材に応じた。ヤクルトの衣笠剛・球団社長兼オーナー代行が、インタビューで今季を振り返った。

 ――ヤクルトは東京都心に本拠球場があります。開催までに苦労したことはありますか。

 「新型コロナウイルス対策連絡会議での専門家の先生のアドバイスを受けて、NPB(日本野球機構)としてのガイドラインを作成し、そのガイドラインに基づいて各球団で具体的な安全対策、また陽性者が発生した場合の運用ルールを作成していった。試合数の減少、開催期間の短縮に対応するため、『特例2020』の策定など、きめ細かく対応策を準備した」

 「開幕前には巨人の球団社長と一緒に、小池(百合子)都知事にごあいさつに行った。コロナの感染状況が刻々と変わっていく中で、政府、東京都の新型コロナウイルス対策に準じた対応をするために、巨人の担当者とともに都の副知事を訪ね、プロ野球界としての対策を説明した。また、感染者が発生した場合の窓口となる地区の保健所との連携など、対外的なきめ細かい連携も求められて、その対応にも苦慮した。都には我々の対応を理解してもらった」

 「会議が2月26日に初めて開かれた。第1回の新型コロナウイルス対策連絡会議が始まり、以来2週間に1回のペースで11月30日の会議で21回。その間、関連会議を加えて大学ノート4冊分のメモが残っている。新型コロナウイルス対策に膨大な時間を費やしてやっとここまで来たという感じがする」

 ――神宮球場で特に対策したことはありますか。

 「興行なので、野球をやる以上は入場料をいただいて、お客さんに入ってもらうことで成り立つ。東京ドームのような球場なら完全にお客さんと選手、販売する人の動線の区分けができる。神宮のコンコースは狭く、サイドに売店が並ぶ。密にならないよう警備員と手分けして対応したので、経費はかかったが、感染者は出なかった」

 「9月19日に入場者数が50%まで緩和された際、最初は売り子による巡回販売をやめた。コンコースや階段の踊り場など広い場所にブースを作ったが、かえって混雑になったので、すぐに巡回販売に戻したこともあった」

 ――入場者数は昨季の195万人から36万人に減りましたが、どう分析されていますか。

 「今年の収支は過去最悪の赤字になるだろう。ただ、12球団の下の2~3球団くらいに入る程度だと思う。うちは神宮球場を借りているので、球場を持つ球団は、うちの3倍くらいの赤字になるかもしれない」

 「今季は主催60試合のうち有観客は46試合だった。うち上限5千人が28試合、上限50%が18試合。それでも入場者数の稼働率は90%もあった。ファンは、球場に行って試合を見るということを渇望していたのではないか」

 「上限5千人の全28試合でチケットが完売した一方で、上限50%の18試合では完売が5試合にとどまった。お客さん自身がコロナ感染へのリスクを感じて、動員数に影響を及ぼした可能性も考えられる。自宅でテレビなどで観戦することが、ある程度の割合で定着してきているのかもしれない」

 ――今季はフリーエージェント権を取得した選手が同時期に重なり、年俸が大きく上がった選手もいます。球団の懐事情を心配するファンの声が上がっています。

 「いつの頃からか、『ヤクルト…

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