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 東京商工会議所の三村明夫会頭らが14日、国の審査が終わった東京電力柏崎刈羽原発7号機を視察した。再稼働に関する地元同意が焦点となる中、柏崎商工会議所による働きかけで実現した。再稼働の早期実現に向けた地元による「環境整備」が今後さらに加速するとみられる。(戸松康雄)

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 「安全対策は前回、5年前に来た時にも増して、システマチックになされていた。これだったら安心だなという印象を強く持った」。柏崎刈羽原発の視察後、報道陣を前に三村明夫・東京商工会議所会頭はこう語った。その隣で、西川(さいかわ)正男・柏崎商工会議所会頭は満足そうな表情を見せた。

 今回の視察は、柏崎商議所の「柏崎刈羽原発でつくられる電気を使う東京の企業の皆さんに、安全対策工事の現状を見てもらい、私たちの活動を応援してもらいたい」(幹部)との要請で実現した。

 今月末の工事完了を控え最終段階にあるフィルター付きベント設備の建設現場や、電源喪失に備えたガスタービン発電機車などを視察。東電の小早川智明社長との意見交換も行った。

 視察の冒頭、「今日の結果を東京の仲間に伝えることを約束する」と語った三村氏は、「原子力発電が日本経済に必要だと訴えていきたい」と述べて約5時間の視察を終えた。

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 西川氏は、11月の柏崎市長選で桜井雅浩市長の選対本部長を務め、選挙期間中は個人演説会の会場を回って自らマイクを握った。

 原発再稼働に「条件付き容認」を掲げる桜井氏が、反対派候補に圧勝。その20日後の今月5日、柏崎商議所は会頭名で「再稼働に対する考えについて」と題した文書を約2千社の会員らに配布した。

 文書は①原発は環境保全と国益を守る点から当面必要②原発立地による税収・交付金収入が行政サービスに充てられ、地域住民は恩恵を受けている③原発は大きな経済効果をもたらし、その存在は地域社会にとって重要かつ当たり前になっている、など再稼働を必要とする理由を列記。「発電所との共生を今後も進める」との考えを示した。

 地元同意に向けた動きが本格化する前に、商議所の立場を改めて徹底する狙いがあると見られている。

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 柏崎市と原発の関わりは、1969年3月10日の市議会の誘致決議が「起点」とされる。その4日前に柏崎商議所は誘致を決議。それ以降、行政と二人三脚で「原発との共生」を進めてきた。

 2015年には商議所が中心となって「早期運転再開に関する請願」を市議会に提出。「新規制基準に適合すると判断された場合は、一日も早い運転再開を求める」との内容が、賛成多数で可決された。

 県が「三つの検証」を重視する姿勢をとり、再稼働への道筋は見えにくい状況が続いているが、桜井市長は7日の市議会での所信表明で「市議会での議論を見極め、再稼働に関する最終判断を行う」と述べた。市議会での議論とは、請願に対する審議を指すと見られ、商議所幹部は「具体的な話はないが、市長側の意向を聞きながら、必要な場合は請願を出すこともありえると思う」と話す。

 商議所は24日の会員大会で再稼働に向けた大会宣言を採択する予定だ。

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