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 結成15年以内の漫才日本一を決める年の瀬恒例の戦い「M-1グランプリ」が20日、決勝を迎える。初出場が決まった「東京ホテイソン」は、ショーゴさん(26)が次々繰り出すボケに、たけるさん(25)が歌舞伎を思わせる伝統芸能風の動きでツッコミを入れるスタイル。準決勝への進出は今年で4回目、「4度目の正直」でついにファイナリストとなった。2人が14日、インタビューで決勝への思いを語った。

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 ――たけるさん(ツッコミ担当)は初の決勝進出が決まったあと、4回泣いたそうですね。

 たける シンプルにうれしかったんですよね。(2017年から)3年間ずっと準決勝でダメだった。まず決勝進出の発表で泣き、芸人仲間が駆け寄ってきてくれたらまた泣いて。その後、感想をカメラに向かって話しているときに感極まり、最後は親に電話で報告しているときにも泣きました。都合4回。

 ――よく泣く方ですか。

 たける こんなに泣いたのは初めてです。いや、待てよ……。こないだ見た映画「STAND BY ME ドラえもん2」では5回泣いたな(笑)。

 ショーゴ(ボケ担当) おい! でも俺のほうはあまり喜べなかったですね。むしろ冷静になったというか、不安のほうが勝りました。決勝のネタづくりどうしよう、とか。

 ――M―1にはどんな印象を。

 たける 子どものころから見ていた番組です。「笑っていいとも!」や「爆笑レッドカーペット」も好きでしたが、今はもう放送されていない。ぼくにとっては、昔からずっと見ていて、今もあるたった一つの番組です。

 ショーゴ (出場した)芸人さんたちが輝いているイメージです。すっごい緊張感なんだろうな、こんな大舞台でネタを間違えずに演じるのはすごいな、とかそういう目で見ていました。そういう場に今度は自分たちが立てるなんて、本当に光栄です。

 ――2人の出会いは。

 たける 出会いは6年ほど前ですね。漫才の相方を募集するSNSがあるんですけど、そこで知り合いました。ぼくはネタが書けないので、ネタを書ける人がいいな、と。

 ショーゴ ぼくは暗いというか、極度に人見知りなので、明るくて元気な相方を探していました。たけるは小・中・高と児童会長や生徒会長をやってきたような学校の人気者。会ってみて、イメージ通りのやつだと思いました。陰と陽でいい組み合わせになると。

 ――結成直後の15、16年にもM―1に出場しましたが、このときは2回戦敗退でした。

 ショーゴ そのころは個性の乏しい、普通の漫才をしていました。スローテンポの、ゆったり系漫才。

 ――歌舞伎風のにぎやかなツッコミと派手な動きは、当初のスタイルにはなかったと。

 ショーゴ 16年のM―1に挑んだ後、漫才のバトルライブがあって、初めて台本をつくらず演じてみたんですよ。アドリブでやってみようと。立ち稽古のとき、たけるに「(今までにない)大きな声でつっこんでみてくれ」と注文したんです。そしたら、聞いたことないような声を出して、見たこともない身ぶり手ぶりがついてきた。龍(りゅう)が昇るような迫力でした。

 たける ぼくは岡山の生まれで、親戚の影響で2歳ぐらいからずっと「備中神楽」をやっていました。備中神楽を通じて体にしみこんできたものが、土壇場で出たということなのかなと思います。

 ショーゴ それを実際の舞台でもやってみたら、「ドカン、ドカーン」とすごい笑いがきて。会場が揺れました。その日からこれ以外のネタはやってないですね。

 ――これまでの予選で一歩及ばずにきたのは、何が足りなかったと。

 ショーゴ ネタの仕上げが粗かった面があるかも知れません。1発目のボケとツッコミでどーんと笑いをとれるんだけど、2発目、3発目の笑いは1発目と同等か、ちょっと下。初動の笑いを超えられない弱点があった。でも、そこを引き上げられたというか、進化できたと今年は思っています。

 ――今年は新型コロナウイルスの影響で、お笑いの舞台も大きく制約を受けました。

 たける 緊急事態宣言が解除されてから10月ごろまでの間、ライブは10本前後しか出られませんでした。例年に比べて、調整する機会がめちゃくちゃ少なかったですね。

 ショーゴ 新しいネタを考えても、試す機会が少ないんです。なので、例えばテレビのワンコーナーに出演した機会などをとらえてネタを試していました。出演者の方が笑ってくれたら、「よし、これはウケるな」とか。

 ――今年、決勝に進出したチームの特徴をどうみていますか。

 たける 例年と比べて、変なコンビが多い(笑)。ぼく、「妖怪大運動会」と言ってます。

 ショーゴ 変というのは、個性的ということですよ。一気に優勝をさらうかも知れないし、逆に最下位になるかも知れない。でも、それはぼくたちも同じ。その日のコンディションが大事になると思います。

――今回の決勝の目標は。

 たける もちろん優勝はしたいですけど、最低でもインパクトを与えて終わりたいなと。こんな人たちがいた、と思ってもらいたいですね。

 ショーゴ ちゃんと、面白いことをやる。ネタで、正攻法で。もし優勝に届かなくても、来年、満を持して「優勝を狙います」といえるだけのものを残したいと思います。(聞き手・後藤隆之)

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 《東京ホテイソン》 岡山県高梁(たかはし)市出身のたけるさんと東京都板橋区出身のショーゴさんのコンビ。コンビ名は日本では七福神のひとり「布袋尊(ほていそん)」が由来。「ネットで笑いの神様と知り、東京をつけたのはかっこいいから」とたけるさん。2014年に出会い、15年にコンビを結成。18年、第39回ABCお笑いグランプリでは決勝のファイナルステージに進出。今年1月から、ユーチューブ「東京ホテイソン オフィシャルチャンネル」に漫才の動画などを投稿している。登録者は2万人を突破した。グレープカンパニー所属。