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 マスクをしながら働くレストランの従業員らの映像に、ナレーションが加わる。「働く人が報われるよう、彼は闘っている」「ここが彼のホームタウン(故郷)」

 低く深い声の主はブルース・スプリングスティーン。「彼」とは民主党のバイデン氏。米大統領選も最終盤の10月下旬、陣営は最大の激戦地ペンシルベニア州でこのテレビ広告をぶつけてきた。BGMはスプリングスティーンのヒット曲「マイ・ホームタウン」だ。

 日本と違い、米国のミュージシャンが自らの政治的立場を明らかにするのはふつうだ。今回もビリー・アイリッシュやテイラー・スウィフト、レディー・ガガらが、バイデン氏支持を表明した。

 アイリッシュは今年、グラミー賞を5部門独占した。バイデン氏より急進左派のサンダース氏の支持者が多いZ世代(1997年以降生まれ)である。周囲の予想に反し強い言葉でバイデン支持を訴えた。スウィフトはカントリー音楽出身の歌手。カントリーは歴史的に保守派=共和党支持のリスナーが多いが、今回もバイデン支持を訴えた。トランプ再選阻止にかける、悲痛な決意が見えた。

 一方のトランプ陣営を支持したミュージシャンで異色だったのが、ラッパーのアイス・キューブや50セント。黒人に手厚い政策提案をいち早くトランプ陣営が受け入れたことなどが理由だが、このほかに大物ミュージシャンを探すのは難しい。トランプ陣営は集会に使う楽曲の許諾を得るのさえ困難だった。ニール・ヤングはキャンペーンに曲を使われ提訴。トランプ氏はローリング・ストーンズ好きで知られるが、当のストーンズ側は「キャンペーンに曲を使ったら訴える」とクギを刺していた。

リベラルに親和的なロック 「取り残された人々」のために歌われてきたが

 ポピュラー音楽界を見ると、大統領選はバイデン氏の地滑り的勝利だ。しかし結果はトランプ氏も7千万票超を得た。共和党候補として史上最多の得票だ。

 トランプとバイデン両支持層が…

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