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第2回ショックだった病名宣告 そして新婚の妻は耳に栓をした

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佐藤陽

 汚れてしまった自分をきれいにしようと、手洗いが何時間もやめられなくなる――。そんな状態が続く精神疾患の「強迫性障害」と長年闘ってきた記者と家族の姿をお伝えする連載の2回目です。

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●「手洗いがやめられない ~記者が強迫性障害になって~」第2回(https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=1139

 覚えているのは、木の絵だったということだ。

 絵を描くのは中学生以来だったかもしれない。とても人様に見せられるようなものではなかったが、目の前の若い女性臨床心理士は、温かく見守ってくれた。

 1996年春ごろ、初めて受診した名古屋市精神科クリニックのカウンセリングルーム。1時間ほどかけて、自分の症状や家族構成、仕事の内容を聞かれた。

 絵を描かされたのもその時だった。

 自分の症状を他人に話すのは初めてで、かなり緊張していた。でも心理士は話しやすい雰囲気で、自然と自分のことを話せた。そこで思い切って尋ねてみた。「強迫神経症(強迫性障害)じゃないかと思うんですが……」

はっきり宣告、やはりショック

 そう聞いたのには訳があった。

【連載】手洗いがやめられない~記者が強迫性障害になって~

この連載では、強迫性障害と長年闘ってきた記者と家族が、どのように病気と向き合ってきたのかを計9回でお伝えします。記事後半では、記者を支えてきた妻の思いも紹介します。

 実家に帰省したとき、心理学

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佐藤陽
佐藤陽(さとう・よう)朝日新聞文化くらし報道部・be編集記者
横浜総局時代に、超高齢化の実態や取り組みを描いた「迫る2025ショック」を2年半連載、『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)として出版した。台湾でも翻訳された。自身の心の病をきっかけにメンタルヘルスの取材も続ける。早稲田大学非常勤講師として「産業社会のメンタルヘルス」の講義を担当する。