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 交通事故で被害者を死なせたとされる人が無罪を主張することをどう思いますか? 東京・池袋で母子が死亡した事故では、元官僚が裁判で無罪を訴えたことに、SNSなどで批判の声が上がりました。被告人の権利をどう考えればいいのでしょうか。「#ニュース4U」取材班のSNSに寄せられた意見について、弁護士と一緒に考えました。

記事の後半で、読者の皆様から募った疑問を刑事弁護に詳しい弁護士に質問した内容を紹介しています。

 東京・池袋の母子死亡事故で被告が無罪主張をしたことをどう思うか、取材班は「#ニュース4U」のLINE公式アカウントに登録している「友だち」に11月中旬にメッセージを送った。数日間で200件以上の意見が寄せられ、メッセージへの返信としては過去最多。関心の高さがうかがえた。

 「当然の権利」「主張は自由」と、無罪主張を肯定的にとらえる意見は2割ほど。目立ったのは「反省の気持ちが足りないのではないか」「憤りを覚える」と無罪主張に対する厳しい声だ。

 刑事裁判の仕組みに詳しい川崎英明・関西学院大名誉教授にこの結果をどう見るか、聞いた。「市民に厳罰を求める意識の高まりを感じる。(元官僚という)被告人の経歴も相まって批判が集まったのだろう」と分析する。「ただ、被告人は『犯罪者』だと決まった人物ではないんです」

 刑事裁判では、有罪が確定するまでは罪を犯していない人として扱う「推定無罪」が原則だ。刑事訴訟法の第1条は「真相を明らかに」することが目的だとうたう。訴追した側の大きな権力を持つ検察と対等に主張できるように、憲法は弁護人の援助を受ける権利や黙秘権も保障する。

 一方、被害者側が厳罰を求めたり真相を知りたいと思ったりする気持ちも無視されているわけではない。近年は刑事訴訟法で、配慮する仕組みを取り入れる流れもある。2008年からは、殺人や性犯罪などの被害者やその家族が検察官席から被告人に質問したり、刑の重さについての意見を述べたりできるようになった。

 社会が犯人視した人が裁判のやり直し(再審)で無罪となるケースもある。川崎教授は「感情的な言葉が裁判官や裁判員の判断を誤らせるおそれもある。厳罰を求める社会の認識が、必ずしも正しいとは限らない」と指摘する。

弁護士「弁護人の役割を理解して欲しい」

 取材班は「弁護士に聞いてみたいこと」も募った。答えるのは、刑事弁護の経験が豊かな清水伸賢(のぶかた)弁護士(48)。

 1問目は、取材班に多数寄せられた質問から。

 被害者や遺族の立場になって苦…

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