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 世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアで、新型コロナウイルスのワクチンが戒律に沿う「ハラル」かどうかが議論となっている。国内最大のイスラム教団体の総裁だったマアルフ副大統領は「仮にハラルでなくても、緊急時は接種しなければ害が大きい」と呼びかけている。

 同国には、中国シノバック製のワクチンが今月に到着したばかり。保健省は国営製薬会社と協力して最終の臨床試験を始めた。同省の報道官は14日の会見で、「緊急使用の許可に加えて、ハラル認証を担うインドネシア・ウラマ評議会(MUI)による宗教的見解(ファトワ)を待っており、実用化がいつになるかはわからない」と述べた。

 インドネシアでは2010年、髄膜炎が流行してメッカ巡礼にワクチン接種が必要となった時も、ワクチンとハラル認証をめぐる問題が注目された。欧州製のワクチンに「豚肉成分が含まれている」と判明し、国民的な議論に。MUIが「緊急事態では使用できる」との見解を出して落ち着いた。

 最近も風疹ワクチンで同様の問題が起きている。マアルフ副大統領は髄膜炎を例に挙げ、「ファトワがあれば問題ない。(新型コロナでは)ワクチンを使わないと、害が出たり、病気を長引かせたりする可能性がある」と語った。(ジャカルタ=野上英文)