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 東北の冬、すぐに温かいおでんを食べられたなら――。そんな思いにこたえてくれる自動販売機が、宮城県内で急増している。東京・秋葉原名物の缶詰おでんが買える自販機だ。新型コロナウイルスの感染が広がるなかでも、人と対面せずに安心して購入できると、人気を呼んでいる。

 雪が降り、厳しい冷えこみとなった15日午前。かじかんでいた記者の手を、280グラムの缶がじんわり温めた。ふたを開けると白い湯気がふわり。一口大の大根にさつま揚げ、うずら卵は二つある。かつお風味のだしで身を寄せ合う具7種類を、ありがたくほおばった。

 缶詰おでんはがんも入りと牛すじ入りの2種類で、どちらも一缶350円。手ぶらで買っても三角こんにゃくにささった串を使って食べられる。

 この自販機は県内に10月に登場し、JR仙台駅近くの商業ビル「イービーンズ」店頭など、仙台市内を中心に県内計11台がある。

 設置したのは東北地方を中心に飲食自販機を展開する「サン・ベンディング東北」(仙台市)だ。新型コロナの影響で飲食業が低迷する中、同社の自販機全体の売り上げは例年より増えたという。

 東京・秋葉原で人気の缶詰おでんなら、もっと売れるのではと導入した。寒くなるにつれ、おでん缶詰の売れ行きがよくなっているという。来春までに県内で50台を増やす予定だ。

 すでにある無洗米入りのペットボトルやだし入りの缶に加え、今後はラーメンや鯨肉入りカレーなどの販売も計画しているという。同社の加藤友人常務は「コンビニおでんも市場が縮小する動きが出ている。寒さが厳しくなるこの時期に、安心して、おでんを楽しんでほしい」と話す。(大宮慎次朗)