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 新型コロナウイルス感染拡大を受け、国が「Go To トラベル」の全国一時停止を決めた。年末年始のかき入れ時に向け準備を進めてきた石川県内の観光業者らからも、突然の方針転換に落胆や困惑の声が広がった。

 「本当に残念だが、停止になってもおかしくない状況だと思っていた」

 和倉温泉(石川県七尾市)の「ホテル海望」の宮田清孝総務部長(32)は肩を落とす。12月の週末や年末・年始の予約は、ほぼ満室だったが、政府の方針表明直後から予約客の問い合わせが相次いだ。「キャンセルが出たからといって、今から地元の人に泊まりに来てもらうようPRし直すのは難しい」と宮田部長。

 「ようやく立ち直りかけた観光産業の関係のみなさまには冷水を浴びせられるという形になるのかもしれない」。谷本正憲知事は15日、県庁で報道陣の取材にそう述べ、国に対し「観光産業が壊滅にならないような手立てを講じてもらいたい」と語った。ただ、県が6~7月に県民を対象に行った、宿泊費の最大半額を出す宿泊割事業のような県独自の振興策は行う考えがないとした。

 一方で、山間部で温泉旅館を営む男性は、今回の停止に複雑な思いを寄せる。

 経営に打撃になるのは間違いないとしながら、年明け、東京からの予約が入っていた状況に、感染防止の面からは「危ないのでは」との不安な思いがあったという。「感染者が出た後から『なぜ泊めたのか』と地元で言われるようなことは困る」といい、全面停止で「安心した気持ちもある」と複雑な心境を明かした。

 ただ、全国一律の停止自体には疑問も。「近隣県からの旅行は停止にしないなど、もう少し細かな着地ができたのではないか」(岡純太郎、波多野陽)

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