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 36人が亡くなった昨年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司容疑者(42)=無職、さいたま市見沼区=が殺人などの疑いで京都府警に逮捕されてから半年余り。京都地検は、事件当時の精神状況を調べる鑑定留置の結果、刑事責任能力が認められると判断し、勾留期限の16日、同容疑者を殺人罪などで起訴した。事件は今後、裁判員裁判で審理される。

 青葉容疑者は昨年7月18日の事件発生直後、現場となった京アニ第1スタジオ(京都市伏見区)の近くで警察官に取り押さえられた。だが、自らも重いやけどを負い、約10カ月にわたって入院治療を受けた。取り調べや勾留に耐えられるまでに回復したと判断され、京都府警が逮捕したのは今年5月27日だった。

 逮捕容疑は昨年7月18日午前10時半ごろ、京アニの役員や社員70人がいたスタジオ(3階建て)の1階にガソリンをまいて放火し、36人を殺害、残る34人を殺害しようとしたというもの。包丁6本を準備し、現場で所持した銃刀法違反の疑いも持たれている。

 自力で歩くことはできず、担架に乗せられたまま医療態勢の整った大阪拘置所に移送された。捜査関係者によると、取り調べは拘置所の居室のベッド上で行われ、感染症にならないよう配慮しながらリハビリも続けられてきたという。

 青葉容疑者は府警の調べに容疑を認め、「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と供述したとされる。一方、動機については「小説を盗まれた」と説明しているが、その主張の根拠は見えていない。

 地検はこうした捜査状況を踏まえ、6月9日から約6カ月間、青葉容疑者を鑑定留置し、刑事責任を問えるかどうか、専門家に依頼し、事件当時の精神状態を詳しく調べていた。(高嶋将之)