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 汚れてしまった自分をきれいにしようと、手洗いが何時間もやめられなくなる――。そんな状態が続く精神疾患の「強迫性障害」と長年闘ってきた記者と家族の姿をお伝えする連載の4回目です。

●「手洗いがやめられない ~記者が強迫性障害になって~」第4回(https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=1139

 僕(53)は中学生のとき、漢字の書き取りの際に分度器を使っていた。漢字の角度を測るためだ。

 参考書には、きれいに赤線でラインを引かないと気が済まない。少しでも曲がったり、斜めになったりすると、修正液で消して書き直した。

 つまり、僕の強迫性障害の症状は、中学生のときには出ていたように思う。

拡大する写真・図版中学3年のとき、修学旅行に行ったときの筆者。このころは「不潔」なことは気にならず、鍵が閉まっているかなど「確認」の症状が強かった=京都府内

 夜中、自宅の戸締まりを何度も確認する。「おなかが痛い。盲腸かもしれない」と思い、病院に行き、検査で「異常がない」と言われても、確信が持てず何カ所も回った。

 英語の文法にも異常なこだわりがあった。

 「何で、このときは定冠詞がつくのか?」

 「この前置詞は、なぜatじゃなくて、inなんだ?」

 NHKのラジオ講座に、頻繁に質問のはがきを出して、回答者を困らせてしまった。

 母が通っていたカルチャースクールの英語の先生にも、僕の疑問を代わりに聞いてもらった。その先生は「お子さん、大丈夫ですか?」とかなり心配していたという。

 ところが、高校時代は、あまり気になることがなくなった。

 空手部に所属したのが、よかったのかもしれない。当時は、裸足で稽古をして、そのまま家に入っても、何とも思わなかった。

 洗濯しない道着を何日着ても、全く大丈夫だった。空手で大きな声を出し、体を思い切り動かし、気持ちを発散できたことがよかったのかもしれない。

 それなのに。

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【連載】手洗いがやめられない~記者が強迫性障害になって~
この連載では、強迫性障害と長年闘ってきた記者と家族が、どのように病気と向き合ってきたのかを計9回でお伝えします。記事後半では、記者を支えてきた妻の思いも紹介します。

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