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 政府は医療用医薬品の価格「薬価」を来年4月に引き下げ、約4300億円の医療費を削減する方針を固めた。国民負担の軽減を掲げる菅義偉首相が主導し、引き下げる対象を1万7600ある品目の7割程度と幅広くとることにした。患者の負担は軽くなるが、医療機関や製薬企業などには経営上の打撃となる。17日にも正式決定する。

 医師の処方箋(せん)が必要な医薬品の価格は政府が決めている。この公定の薬価に比べ、医療機関が販売業者から実際に購入する際の取引価格は低くなっていることが多い。今回の改定では、薬価と比べて取引価格が5%以上低い医薬品を対象に、薬価を引き下げて価格差を縮めることで政府内の議論がまとまった。

 ただし、新型コロナウイルスの影響で医療機関や製薬企業などの経営状況は厳しいことから、引き下げ幅を通常より0・8%分多く圧縮する緩和措置をとることで、経営に配慮する。

 薬価引き下げの内容は17日、麻生太郎財務相と田村憲久厚生労働相の大臣折衝を経て最終的に決定する。薬価の引き下げはこれまで2年に1度だったが、官房長官時代の菅氏が主導して毎年見直す方式に改め、今回がその初回となる。