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 国産初のジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」を開発する三菱航空機は、米国にある飛行試験の拠点を来年春に事実上閉鎖することを明らかにした。すでに米国とカナダにある開発拠点2カ所を閉鎖済みで、残る海外拠点は米ワシントン州にある飛行試験拠点だけだった。

 米国での飛行試験は新型コロナウイルスの感染拡大で今年春から中断していた。さらに今後3年間は再開できない見込みで、飛行試験以外の開発作業も来年3月末をめどに中断する。4機ある試験機は現地で保管を続け、そのために最低限必要な人員は残す。

 SJはこれまでに納期を6度延期するなど開発が難航。さらに新型コロナウイルスによる業績悪化などを受けて親会社の三菱重工業は10月、今後3年間の開発費を過去の20分の1の200億円まで絞ることを決めた。事業化は見通せなくなっている。

 三菱航空機は設計の安全性を担保する「型式証明」の取得作業は続けるとしているが、最大で2千人ほどいた従業員は「継続的に縮小させる」(広報)方針。グループ内での配置転換などを進めている。(初見翔)