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 生活保護受給者の支援にあたるケースワーカー(CW)の人手不足が解消されない。指定市・東京23区・県庁所在市・中核市の全国107市区のうち、社会福祉法で決められたCWの配置標準を満たしていない自治体は昨年度、77市区と約7割にのぼることが、厚生労働省の調査でわかった。今後、新型コロナウイルスの影響で生活保護の申請が増えれば、十分な対応がとれなくなる可能性がある。

 社会福祉法は、都市部では生活保護世帯80に対してCW1人の配置を標準数として定めている。朝日新聞は、全国の福祉事務所が厚労省に提出した2019年度の「生活保護施行事務監査資料」を情報公開請求で入手。それによると、107市区のうち71%にあたる77市区でCW数が標準を下回っていた。

 1人のCWが平均100以上の保護世帯を担当する自治体は32にのぼる。不足するCWは全国で計約1800人。大阪市418人、福岡市112人、堺市101人、名古屋市93人、東大阪市88人、神戸市62人、横浜市58人、那覇市46人、鹿児島市45人などだった。

 こうしたCW不足を補うため、多くの自治体が非常勤・嘱託職員を採用しており、昨年度は107市区で計約4500人だった。

 大半の自治体は、戸籍確認や年金・資産の調査・入力、申請窓口の面接相談、就労支援などの補助業務を任せていた。また八王子市、名古屋市、大阪市、那覇市など20以上の自治体では、非常勤職員らが高齢者世帯の訪問・支援業務を担っていた。

 厚労省社会・援護局は「コロナ禍の長期化で今後、生活保護の申請が増えるおそれがある。人員配置の最終的な決定権は自治体にあるが、標準数を満たすよう監査などで指導していきたい」としている。

 桜井啓太・立命館大准教授(社会福祉学)は「公務員の人員削減の流れを背景に、ケースワーカー不足も常態化している。訪問で生活実態を把握できなければ、適切な支援に影響する。給与が低く身分が不安定な非正規職員が生活保護業務を支える構造とともに、是正が必要だ」と指摘している。(諸永裕司)

桜井啓太・立命館大准教授(社会福祉学)が語るCWの実態

 生活保護を支援するケースワー…

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