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 横浜市がカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を進めるなか、その賛否を問う住民投票を実施するための条例案が、来年1月にも市議会に提出されることになった。条例案提出を求めて集まった署名が法定数の3倍超に達したことが、16日に選挙管理委員会によって確認された。市は誘致に向けた手続きを着々と進めるが、菅義偉首相のおひざ元の横浜市で、肝いり政策の行方がどうなるかが注目される。

 横浜市は2019年8月、首都圏の自治体で初めてIR誘致を表明した。将来の人口減少や高齢者増に伴う財政悪化を踏まえ、年1千億円前後の増収が見込めるなどと利点を例示。羽田空港からアクセスしやすい横浜港の山下ふ頭が予定地とされた。

 林文子市長は2期目の14年、IR導入を検討する庁内プロジェクトを開始。「インパクトある施設が横浜には足りない」などと誘致に前向きな考えを示した。だが、誘致反対を掲げる2氏と争った17年の市長選を前に「白紙」に転じ、その後も市民の意思を問うことなく誘致を決めた。

 市民にはギャンブル依存症や治安悪化につながるとの懸念も根強く、「裏切られた」「だまされた」という声が上がった。朝日新聞社が昨年9月に市民を対象に実施した世論調査では、64%が誘致に反対で、賛成の26%を大きく上回った。

 市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は今年9~11月、住民投票実施を求める署名活動を展開。市内各区の選挙管理委員会の審査で16日、有効署名が19万3193筆と確定した。法定数(約6万3千筆)の3倍超に達したことになり、市民の会は23日に条例制定を直接請求する予定だ。地方自治法に基づき、市長は20日以内に市議会を招集し、条例案を提出しなければならない。

 だが、市議会はIR誘致を容認する自民党系と公明党の会派が過半数を占め、条例案は否決される公算が大きい。自民党の中堅市議は「粛々と反対多数で否決する」と話しており、住民投票は実施されない可能性が高いのが実情だ。

 市民の会共同代表の小林節・慶応大名誉教授は、市内の有権者の15人に1人が署名したと強調。「文化都市・横浜をばくち都市・横浜に変えていいのか。歴史的な決断を不明朗な形で市民の意見を聴かずに決めてはいけない」と訴える。

 コロナ禍の影響などでIRをめ…

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