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 36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件の発生から1年5カ月。京都地検は16日、殺人や現住建造物等放火などの罪で青葉真司容疑者(42)を起訴した。なぜ、家族の命が奪われたのか――。遺族らは、法廷での解明を見守る。

 玄関や階段、そして部屋。娘の描いたイラストに囲まれて暮らしているのに、もう会えない。毎晩あった着信も、事件前夜を最後に途絶えた。犠牲になった京アニ社員、渡辺美希子さん(当時35)の母親(70)は、容疑者に願っている。「真摯(しんし)に事件と向き合ってほしい」

 20年ほど前。美希子さんから、高校卒業後に「アニメの学校に進みたい」と相談された。幼い頃から絵を描くのが好きだったが、将来の仕事として考えるほどのめり込んでいるとは思っていなかった。「絵で食べていける人が、どれだけいると思っているの」。そう説得し、大学に進学するよう促した。

 それでも美希子さんの意志は固かった。大学卒業後に再び、アニメの道に進みたいと相談された。親とはいえ、成人してまもない娘の夢を、再びあきらめさせてよいものか。悩んだ末、その覚悟を尋ねた。「食べていけないくらいしんどくても、後悔しない?」。美希子さんの答えは「後悔せえへん」だった。真剣なまなざしを向けられ、今度は背中を押すことを決めた。

 心配を振り払うように、美希子…

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