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 「男が育休を取るなんて」という古くさい考えを改めよ――。岸信夫防衛相は16日、防衛省と自衛隊の幹部を集めた「自衛隊高級幹部会同」で、異例の訓示をした。テレビ会議形式で東京と地方を結んで開かれた会合に出席した幹部約90人のうち、女性は広瀬律子・九州防衛局長の1人だけ。菅義偉首相も性別を問わない人材登用を求めた。

 恒例の会合で、異例の訓示が飛んだ。岸氏は「わが国の抑止力、対処力の強化のために不断の努力を続けてください」などと述べた後、隊員の能力を十分に発揮する手立てとして「働き方改革」について語り始めた。

 「女性だけでなく男性隊員の家庭生活への参画を推進することが必要」「『男が育休を取るなんて』といった古くさい考えを改め、男女問わず育児休業の取得を推進しよう」。岸氏は幹部らに「防衛省・自衛隊さらには日本社会の価値観を率先して変えていこう」と呼びかけた。

 ビデオメッセージを寄せた首相も同じ調子だった。「リーダーは現場を全て知らなければならない」などと説いた後、「先月の航空観閲式で藤山花野1尉が儀仗(ぎじょう)隊長を務めた。自衛隊の最高指揮官たる首相に、女性隊長が儀仗を行うのは初めてだった」と切り出した。

 首相は「自衛隊では『女性初』という言葉を多く耳にしている」と評価しつつも、この日出席した幹部のうち女性は1人という現状に触れ、「より複雑な環境に立ち向かうためには、これまでにない発想や柔軟な思考が求められる。性別を問わず、意欲と能力にあふれた人材を積極的に登用していくことを期待する」と改善を求めた。(寺本大蔵)