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 日本学術会議は16日、政府への提言機能や国際発信力の強化といった組織の見直し案をまとめ、政府に提出した。国を代表する学術機関としての役割を果たす要件は、いまの組織形態が「全て満たしている」とした。自民党が主張する「政府からの独立」には慎重な見方を示した。

 見直し案は中間報告の形をとり、「より良い役割発揮に向けて」と題する9ページで、井上信治・科学技術担当相に提出した。日本を代表する「ナショナルアカデミー」として備えるべき要件として、①国を代表する機関としての地位②公的資格の付与③国家財政支出による安定した財政基盤④活動面での政府からの独立⑤会員選考における自主性・独立性――を挙げた。「政府の特別の機関」と位置づけられている現状の組織形態は「5要件は全て満たしている」と評価した。

 井上氏は学術会議の梶田隆章会長に「国の機関からの切り離しも含めた検討」を要請していた。自民のPT(プロジェクトチーム)は11日、「政府から独立した法人格」への変更を求める提言を井上氏に提出している。

 学術会議側は「独立」をめぐり、今後の検討対象としては受け入れた。ただ、独立行政法人化について「5要件を全て満たす制度設計が可能なのかが論点」とするなど、課題を指摘した。

 中間報告は「現在の制度を変える積極的な理由は見いだしにくい」とした2015年の有識者会議の報告書に触れ、「見直すには、単なる状況の変化にとどまらず、法改正を要請する立法事実の明確化が求められる」と強調。小林傳司・第1部幹事は記者会見で「法改正しなければならない明確な理由がクリアになっていない」と注文をつけた。

 現会員の推薦に基づく会員の選出方法をめぐり、自民PTは「同質的な集団が再生産される傾向がある」と見直しを求めたが、学術会議側は「海外の多くのアカデミーで採用されている標準的な会員選考方式」と強調した。「年齢や性別、地域などの多様性の確保」が進んできた現状を記し、産業界所属の会員の増加や、選考プロセスの開示に取り組む方針は示した。

 政府への提言機能や国際発信力を強化するため、調査室の新設や調査員の拡充などの事務局体制の強化策も盛り込んだ。菱田公一副会長は「すぐ着手できるものは順次行っていく。事務局の人件費は相当増えるだろう」と話した。

 中間報告のとりまとめをめぐり、梶田会長は会見で「自民党とは特段関係ないスタンスでやらせていただいた」と説明したが、自民案とは隔たりのある内容となった。

 井上氏は学術会議の見直しについて「年内には政府として一定の道筋を示したい」と記者団に語った。組織の形態まで年内に結論を出すのかについては「年内もあとわずか。一定の限界がある」として、慎重に対応する考えを示した。

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