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 広島県三原市沖の瀬戸内海で昨年6月、海上自衛隊の掃海艇「のとじま」(519トン)と貨物船「ジェイケイⅢ」(699トン)が衝突した事故で、国の運輸安全委員会は17日、調査報告書を公表した。のとじまの当直士官と貨物船の航海士が、相手の船が自分と同じ考えですれ違うと思い込んで進路をとったため、衝突した可能性が高いとした。

 両船が衝突したのは、昨年6月26日午後11時55分ごろ。

 報告書によると、のとじまは瀬戸内海の水路の中央付近を南へ、貨物船も中央付近を東へ進んでいたが、船舶自動識別装置(AIS)を使って互いの船の位置は把握していた。

 向かい合って進む船は、互いの右側(左舷対左舷)を航行してすれ違うのが原則だが、ぶつかりそうになった場合は直前に無線などで連絡を取り合って回避する。

 貨物船の航海士は、のとじまが互いの右側を通ってすれ違うと思い込んでおり、右に少しかじを切って進んでいた。

 一方、のとじまの当直士官は、進路の右側にある浅瀬が気になったことや、これまでの進路から貨物船が左転すると考えて、左にかじを切っていた。のとじまの航行を指揮する艇長には左にかじを切ることを告げており、了解してもらったと思っていたが、艇長は当時居眠りをしている状態だったという。

 両船とも衝突の危険があることに気づき、15~25秒前に大きくかじを切ったが間に合わなかった。無線で互いの進路についてやりとりすることもなかった。(贄川俊