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 戦争や紛争下で苦しむ人々への支援保護活動を続けてきた国際的人道支援組織の草分け、赤十字国際委員会(ICRC、本部=スイス・ジュネーブ)。そのナンバー3にあたる事業局長、ドミニク・シュティルハルト氏に、紛争とコロナ禍という二重苦に見舞われた人々の現状や、その下での人道支援などについて聞いた。

Dominik Stillhart 1964年生まれのスイス人。90年からICRCで働き、アフリカやバルカン諸国、中東など紛争地や被災地での活動に従事した。ジュネーブ本部での人材運営プログラム責任者などを経て、2014年から現職。

コロナという単語すら聞かれない

 ――世界の紛争地域でのコロナ禍の影響はどうですか。

 「避難民や難民キャンプで人々は密集して生活しなければならず、シリアとイラクでは実際にキャンプ内でコロナ罹患(りかん)が発生した。ただ幸い、我々の活動範囲では、制御不能な事態には至っていない」

 「私が昨秋訪れたブルキナファソの避難民キャンプで、人々に何に困っているか尋ねると、コロナという単語すら聞かれなかった。ほかの問題があまりに多く、コロナは最大の懸案ではないのだ」

 ――人々の意識が現実に追いついていないのでは。

 「キャンプのように密集して暮らさなければならない環境が感染症に弱いことは確かだ。武装組織などの支配下で国家の統治が及ばない地も注意を要する。ウクライナ東部やサハラ砂漠南縁、イエメンの武装組織支配地域などだ。そもそもこうした地域では、人々は病院で死ぬと限ったわけではなく、死因ですら我々は明確に把握できない」

 ――実態がみえにくい、というわけですね。

 「当局は基本的にコロナ禍の存…

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