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 中国の月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が、月の砂を持ち帰ることに成功した。こうした「サンプルリターン」は、日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星から砂を持ち帰るのに成功したばかり。日本は宇宙の平和利用を原則として科学探査に力を入れ、小惑星からのサンプルリターンで世界をリードするまでになったが、資金力で勝る米国や中国が猛追している。

 日本は1970年、人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功し、世界で4番目の打ち上げ国となった。このころ、宇宙開発の中心だったのが、「はやぶさ2」も開発した宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の前身である東京大宇宙航空研究所だ。当時の日本の宇宙開発は主に大学が担い、平和利用を原則として進められてきた。

 しかし、北朝鮮による事実上の弾道ミサイルの打ち上げを受け、日本は2008年に宇宙基本法を制定し、安全保障分野を重視するようになった。近年は情報収集衛星の打ち上げも相次ぐ。日本の宇宙関連予算が3千億円台で推移するなか、「はやぶさ2」のような科学探査は宇宙研が予算全体の5%ほどで細々と続けているのが現状だ。

 宇宙研は、初代「はやぶさ」と「はやぶさ2」を連続成功させ、小惑星からのサンプルリターンで世界をリードする立場になった。小惑星への着陸技術は米航空宇宙局(NASA)が情報提供を求めてくるなど、有人宇宙船や月着陸技術を持たない日本が存在感を示す貴重なカードだ。

各国、月面の場所の取り合い

 米国は今年10月、「米国版は…

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