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 新型コロナウイルスの感染拡大で企業の業績が悪化し、高校生の内定取り消しが昨年度に引き続き、今年度も出始めている。せっかく手にした憧れの職業をあきらめ、再び就活を始める生徒もいる。厳しい労働市場の中、生徒たちの不安は続く。(長富由希子)

 「コロナで売り上げが落ち込み、内定者を受け入れられなくなりました」。兵庫県立高校で進路指導部長を務める男性教諭(42)は11月下旬、ある企業からの電話に声を失った。地元で人気の食品製造会社で、3年生の女子生徒1人が内定をもらっていた。すぐに女子生徒を呼び、言葉を選びながら伝えた。生徒は大きなショックを受けながらも、「わかりました」とだけ答えた。

 10月16日に高校生の採用選考が解禁されると、学年で一番早く内定をもらった優秀な生徒だ。来春から憧れの職業に就くことを楽しみに待っていた。

「1人1社制」足かせ

 兵庫や大阪を含めた多くの都道府県では高校生の就活に「1人1社制」の縛りがあり、1人が複数の内定を得ることは原則できない。他社に応募できるのは、内定を取り消された後か、各都道府県ごとに定めた「複数応募」の解禁時点で内定を得ていない生徒などに限られる。この女子生徒は厳しい条件の中、就活をやり直さないといけない。しかし、11月下旬にもなると、ハローワークの高校生向けの合同説明会もほぼ終わっていた。

 「食品製造の仕事をしたいけれど、内定取り消しはトラウマ。同じ業種だとまた取り消されるかもしれない」と不安がる。事務の仕事を探し始めているという。

 同校の進路指導部長は今後、内定取り消しが相次ぐことを恐れる。「夏にコロナが落ち着いて、業績が回復してきた企業が多かった。しかし、『第3波』で急速に悪化するケースが出るのではないか」

 厚生労働省によると、今年3月…

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