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 大ヒット中の「劇場版『鬼滅の刃(やいば)』無限列車編」とコラボしたJR九州の観光列車「SL鬼滅の刃」が19日から再び走り始める。11月の運行に続く第2弾で、劇場版の舞台となる「無限列車」を再現。車内では人気キャラになりきって特製の駅弁を味わうこともできる。社会現象となった鬼滅人気を追い風に、切符も瞬く間に売り切れた。

 「鬼滅の刃」は週刊少年ジャンプで連載された吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんの漫画。鬼に家族を殺された竈門炭治郎(かまどたんじろう)が、鬼に変えられた妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため、鬼を倒す「鬼殺隊」に入り、仲間たちとともに鬼と戦う物語だ。映画ではこのうち「無限列車」を舞台にした鬼との戦いを描いている。

 コラボ列車は、観光列車「SL人吉」の車体に映画と同じ「無限」のヘッドマークを取り付け、熊本から博多まで走る。車内のフリースペースの椅子は、禰豆子や鬼殺隊最高位の剣士である柱の一人、胡蝶(こちょう)しのぶの衣装をモチーフにしたカバーで装飾した。もともとSL人吉の車内にあしらわれている市松模様も、炭治郎の羽織を連想させるとあってファンにはたまらないようだ。

 車内で販売されるコラボ特製弁当(税込み1670円)も話題だ。柱の一人、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)が無限列車内で「うまい! うまい!」と弁当を食べる映画のシーンをイメージしながら、宮崎牛のすき焼きや「やまや」の辛子明太子(めんたいこ)が楽しめる。弁当は駅の売店でも購入できる。

 車内では、ほかにオリジナルマグカップが販売される。ただ、ネットでも販売された有田焼の小皿や切符を保管するファイルなど多くの商品は、あまりの人気ですでに完売したという。

 公開中の劇場版は今月13日までで興行収入302・8億円となり、歴代1位の「千と千尋の神隠し」(316・8億円)に迫る勢いだ。お菓子や缶コーヒーなどコラボ商品が続々と販売され、「キメツノミクス」とも呼ばれて記録的な売り上げになった。

 その人気にあやかり、SL鬼滅の刃も11月に計5日運行した第1弾は、すべての切符が即日完売した。JR九州によると、運行日には停車駅だけでなく、通過駅や沿線に「鬼滅」ファンや鉄道愛好家ら計2万人以上が見物に訪れたという。

 第2弾も熊本発博多行きの片道だけの運行。それでも19、21、23、25、27日の全5日分の切符は、14日午前10時の発売開始から「1秒」で売り切れたという。

 コラボは、JR九州が映画の製作会社に持ちかけて実現した。コロナ禍で鉄道の利用が落ち込む中で、乗客や駅ビルへの来客の回復を人気アニメに託した。JR九州の担当者は「キャンペーンを通して、お客さまの笑顔をたくさん見られた。第2弾でも九州を元気にすることができれば」と話す。(松本真弥、田幸香純)