[PR]

 神奈川県内で17日、初めて300人を超す新型コロナウイルスの感染者が発表された。黒岩祐治知事は同日夜、報道陣に「年末年始にコロナ患者以外も入院できなくなる危機が迫っている」と語り、医療崩壊への強い危機感を訴えた。

 この日県内では、新たな感染者319人と死者1人が発表された。感染者は16日の287人に続いて過去最多を更新。県内で発表された感染者は延べ1万6003人、死者は230人(いずれも朝日新聞集計)となった。

 319人の居住地別内訳は、横浜市150人、川崎市73人、相模原市20人、大和市13人、横須賀市11人、厚木市8人、藤沢市7人、鎌倉市6人、平塚市5人、茅ケ崎市4人、小田原、逗子、伊勢原、海老名、綾瀬市が各2人、座間、南足柄市と葉山町各1人、県内(自治体非公表)4人、県外(同)1人、東京都4人。死亡したのは横須賀市の70代女性。

 横浜市によると、市内の物流会社で従業員2人が感染。他自治体の発表分を含めると、この会社では計14人が感染している。川崎市高津区の高齢者デイサービス施設では、利用者5人の感染が判明。東京都もこの日、この施設の職員5人の感染を発表。この施設の感染者は計15人となった。

 県によると、終結していないクラスターは16日時点で計60カ所、感染者は計916人。内訳は、福祉・介護施設29カ所、医療機関10カ所、学校・大学7カ所などで、施設数、患者数とも上積みされる状態が続く。

 クラスター以外に感染経路がわかった中では、家族内感染が引き続き多い。ただ、感染者の半数は感染経路が不明で、県は市中にコロナウイルスが蔓延(まんえん)しているとみている。

 新規感染者の初の300人超えを受け、黒岩知事は県庁で取材に応じ、「医療提供体制が細る年末年始に医療崩壊が起きかねない」と強い懸念を示した。感染拡大防止には「奇策はない」と言い、「飛沫(ひまつ)に徹底用心。会食時も話すときは必ずマスクをし、できないのであれば会食を控えてほしい」と訴えた。

 県は県内の医療機関に対し、協力金を支給することで年末年始の医療提供体制を整える考えだが、病床はすでに逼迫(ひっぱく)し、医療従事者の疲労は蓄積されている。ある医療従事者は取材に「政府が『Go To トラベル』を止めるのが遅すぎた。現場は限界だ」と吐き捨てるように語った。(茂木克信)

     ◇

 米海軍厚木基地(綾瀬市、大和市)は17日、米軍関係者1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。17日時点で同基地の感染者は6人。

     ◇

 神奈川県伊勢原市は17日、大山ケーブルカーの往復乗車券を購入した県民に、大山周辺の飲食店などで使えるクーポン(大人1千円分、小児500円分)を平日限定で配布する独自の観光誘客策「いせはら乗るたびスマイルキャンペーン」について、28日と来年1月4~8日の計6日間、クーポン配布を停止すると発表した。

 「Go To トラベル」の全国一斉停止などに合わせた措置。元々、配布対象外の年末年始(12月29日~来年1月3日)や土日曜・祝日を含めると、事実上、12月26日~来年1月11日までの停止となる。それ以降は状況を踏まえて検討する。配布済みのクーポンは、来年2月末まで、配布停止中を含めて使える。(豊平森)