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 議員の「なり手不足」の解決につなげようと、長野県生坂村議会は17日、56歳未満の議員報酬を現行の月18万円から30万円に引き上げる条例改正案を可決した。4回連続で村議選が無投票になっていることなどから、若い世代に立候補を促すのが狙い。来年4月の村議選の当選者から適用される。

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 県町村議会議長会によると、議員報酬を年齢で区切るのは県内で初めて。全国では2015年に長崎県小値賀町議会が導入した例がある(適用がなく廃止)。

 前回17年4月の生坂村議選(定数8)は、立候補が7人(現職4、新顔3)にとどまり、欠員1のまま全員が無投票で当選。この事態を受けて村議会は議会改革検討会を立ち上げた。議員のなり手不足について議論を重ね、若い世代が生活基盤を確保しながら政治に参画するためには56歳未満の議員報酬の引き上げが必要と判断し、今年11月に村へ提言した。

 12月議会の最終日、議員報酬の条例改正案を議員側が提案。検討会座長で最年少の太田譲氏(47)が「勤めを辞めてまで議員になれないという若者が、少しでも(村議選に)手を挙げられる環境を整えたい」と提案理由を説明した。

 反対はなく全会一致で可決された。藤沢泰彦村長は「村民から賛否両論を聞いているが、なり手不足は日本全体の問題。その対応策に一石を投じた。若い方が立候補して20年ぶりの選挙戦を期待する」と述べた。

 今回の報酬改定により、56歳未満の議員は議長の報酬(26万7千円)より高くなるが、満56歳に達した翌月から従来の報酬に戻す。平田勝章議長は取材に対し、次の村議選で効果が表れなくても「1回だけで結論を出したくない」と継続する考えを示した。

 県町村議会議長会の調べでは、県内58町村の一般議員(役職なし)の報酬は平均で月17万2千円。最高額は軽井沢町の26万1千円、最低額は売木村の11万3千円。これで生坂村の56歳未満が最高になる。

 同村は人口1723人(11月30日現在)で、高齢化率は42・3%。村議会は今回の改正に向けて、対象となる25~50歳にアンケートを実施した。回答した170人のうち、報酬の引き上げを「妥当」としたのは41・2%、「60歳にすべき」は33・5%だった。(羽場正浩)