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 フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん(当時22)が、ネット上で誹謗(ひぼう)中傷を受けた末に自ら命を絶った事件で、警視庁は17日、中傷コメントをツイッターに書き込んだとして男を侮辱容疑で書類送検した。ネット上でのこうした書き込みは後を絶たない。同様にデマを流されて20年以上被害を受けているお笑い芸人のスマイリーキクチさん(48)にその深刻さを聞いた。

 ――どんな被害でしたか

 1999年、所属事務所のホームページに「死ね」「逃げ切れると思うな」という書き込みがあふれました。自分が高校生の頃に起きた殺人事件の犯人が私だと。地元や年齢が近く、決めつけられました。否定しましたが、「火のないところに煙は立たない」「死ねば許す」と投稿されました。書き込みはいずれも匿名です。テレビ局やスポンサーに嫌がらせがいきました。「殺人犯をテレビに出すな」と。仕事がなくなりました。

 ――警察への相談は

 9年近く過ぎた2008年。身近な人への脅迫のような書き込みがあったためです。

 ――その後、脅迫などの容疑で複数の人物が立件されました

 隣の人が書き込んでいるかもしれないという恐怖心があり、相手の身元が分かってホッとしました。彼らは「正義のつもりだった」などと供述したそうです。人をつるし上げるのは正義ではない。そもそも、匿名で人をたたくのは正義から逸脱している。はき違えると誰もが加害者になります。

 ――被害はやみましたか

 今もしょっちゅうです。殺害予告も届いています。

 ――木村さんの事件についてどのように考えますか

 言葉が人を殺したと思います。実は、中傷したとみられる人から相談を受けました。「お金を払わなければいけませんか」「情報を開示されますか」と保身ばかり。人を殺したかもしれないという意識がない。一切、返信しませんでした。

 ――同様に中傷を受けている被害者に伝えたいことはありますか

 ネットから離れるのが一番です。それから、都道府県に人権相談の窓口があるので相談して欲しいです。

 ――投稿している人には

 軽い気持ちでやっていると思いますが、重い責任が伴うことを知ってほしいと思います。(聞き手・滝口信之)