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 野口啓代(TEAM au)には最近、何だか胸を張りたくなる瞬間がある。

 例えば、2020年夏に盛岡市であった「リード」のジャパンカップ。12メートル超の壁をどこまで登れたか、その高さを競う種目で8人が決勝に進んだ。31歳の野口をのぞいて全員が高校生以下。最年少は中学3年の15歳だった。「10代の子ばっかりの中に私が立っていると、ちょっと誇らしい気持ちになります」。冗談めかした笑みを浮かべ、「私、頑張ってるよな~なんて。もうちょっと20代頑張れよって」。

 19年8月に東京であった世界選手権でも、五輪種目の「複合」で決勝に残った8人のうち、30代は野口だけだった。

 ボルダリングのワールドカップで4度の年間女王に輝いた、日本女子クライミング界の顔だ。体一つで壁を登るハードな競技にあって、第一線で戦い続ける30代は異彩を放つ。ただ、「あんまり年齢のことを考えたことはないですよ。考えたところで、自分にプラスが何もないし」。同世代がいない中で苦しさはないかと聞くと、笑い飛ばされた。「やっぱり楽しいですね。自分にしかできないことを、やれていると思っているので」

 現役を退く日付を、一度は決め…

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