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 全国の国税局が2019事務年度(19年7月~20年6月)に実施した相続税の調査で、海外資産の申告漏れは149件に上り、過去最多だったことが国税庁のまとめでわかった。他国との情報交換などによって、富裕層の海外資産を把握しやすくなっているという。

 相続税は、国内だけでなく海外の資産も申告して税額を計算する。国税庁によると、19事務年度の海外資産の申告漏れは1件あたり約5200万円。国内資産を含めた全体平均の約1・5倍に当たり、資産を海外に持つ人ほど規模が大きい傾向がみられた。

 申告漏れ件数が最多となったのは、租税条約に基づく他国との情報交換や、海外居住者の口座情報を自動的に交換する制度(CRS)の活用が進み、日本の国税当局が日本人の海外資産を把握しやすくなったことが背景にある。

 大阪国税局の調査では、父親が海外に持っていた多額の預金などを相続した子どもたちが、この遺産を申告していなかったことが、CRSによって判明。子どもたちは「バレないだろう」と考えていたというが、総額約13億6千万円の申告漏れを指摘された。(中野浩至)