[PR]

 インド洋の島国モーリシャス沖で大型貨物船が座礁し燃料油が流れ出た事故について、船をチャーターしていた商船三井は18日、原因分析の結果を発表した。船員が携帯電話がつながるようにと島に近づいたことに加えて、細かい地形を把握できない縮尺の海図を使っていたため、島との距離を見誤り浅瀬に気づかなかったとみられる、という。

 船の所有者である長鋪汽船(岡山県)とともに船員への聞き取りを行い、通信記録も分析した。

 それによると、貨物船は座礁の2日前にあたる7月23日に針路を変えた。本来は島の40キロ沖を通る計画だったが、携帯電話の通信圏内に入るため、島から3・7キロまで近づこうとした。

 使っていた電子海図は、広い範囲を見るためのものだった。船の位置を見誤り、岸からわずか1・6キロの浅瀬に乗り上げてしまったという。

 ウェブで会見した商船三井の加藤雅徳・安全運航本部長は「日本列島が入る地図を使って、新潟県佐渡島の横を通ろうとしたようなもの」と説明した。電子海図の準備不足や、沿岸に近づくリスクの認識が船員に足りていなかったことなどが事故の原因になった、と推定した。

 商船三井は再発防止策として、遠隔で航路を確認する本社と船の連携強化▽良質な乗組員の確保▽船内への監視カメラの設置などを挙げた。また、航海中の長期間、船員が陸上にいる家族らと携帯電話で連絡が取れないことが事故の背景になった可能性があるとして船の通信設備の強化にも取り組む、とした。(高橋尚之)