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 米トランプ政権は18日、対中輸出を規制する「エンティティー・リスト」に、半導体受託メーカーの中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)など60以上の中国企業を加えた。米中の経済・軍事競争のカギを握る半導体分野での技術の移転をさらに厳しく規制し、対中圧力を強める狙いだ。

 「エンティティー・リスト」は、米国から輸出する部品や技術が軍事転用されることを厳格に封じるための枠組み。

 一定の米国技術を含む製品を別の国から再輸出する場合も対象になり、SMICと取引する日本企業も対応を迫られる。これまでも通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)など多くの有力中国企業がリストに入れられている。

 今回のSMICへの規制では、回路線幅(かいろせんはば)が10ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下の高性能半導体をつくるのに必要な装置の輸出を禁じる。半導体は回路線幅が細かいほど性能が高く、世界トップ企業の台湾積体電路製造(TSMC)は5ナノメートル級を手がける。

 記者会見した米商務省高官は「10ナノ以下をつくるには米国の技術が不可欠。それをさせないことが、我々の『レッドライン』だ」と語った。

 半導体の製造装置は日米やオランダの企業が強い。リスト入りに伴い、SMICは、こうした企業の手がける製造装置の導入が難しくなり、大きな打撃が見込まれる。

 米商務省の高官は「統一的な取り組みを実現するため、同志の国々と緊密に協力する」と強調。輸出の規制をめぐって、日本などにも連携を求めていく姿勢を改めて示した。

 SMICについては、米国防総省がすでに中国の人民解放軍の影響下にあると認定しており、商務省も今秋、一部の製品をSMICに輸出する際には事前の許可を必要とするという運用を始めていた。(ワシントン=青山直篤)