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 長崎県対馬市の観音寺から韓国人窃盗団に盗まれ、現在は韓国政府が保管している仏像について、韓国の寺が所有権を主張して起こした訴訟で、被告の韓国政府から観音寺に、裁判への参加を促す文書が届いた。同寺は裁判に出向いて所有権を主張し、返還を求める方針だ。

 観音寺の元住職田中節孝さん(74)が18日夜、対馬市内で記者会見して明らかにした。

 仏像は県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像(ぼさつざぞう)」。2012年に韓国人窃盗団により観音寺から盗まれた。窃盗団の検挙後、韓国政府が保管しているが、韓国の浮石(プソク)寺が「14世紀に日本の海賊である倭寇(わこう)に略奪された」と所有権を主張し、韓国政府に引き渡しを求めて16年に提訴。17年、韓国の大田(テジョン)地裁が寺の主張を認める判決を出し、韓国政府が控訴した。

 外交ルートを通じて観音寺に届いたという文書は、「浮石寺が勝訴すれば、韓国政府は観音寺に仏像を還付することができなくなる」として、裁判への参加を促している。田中元住職は会見で「裁判が長引く状況になり、明確に所有権を訴えなければと思い、出ることにした」と話し、裁判に参加する意向を示した。(対馬通信員・佐藤雄二、米田悠一郎)