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 新型コロナウイルスの感染拡大で全国高校野球選手権愛知大会が中止されるなど、不本意なシーズンを送った後輩たちを励まそうと、プロ野球ソフトバンクの千賀滉大(こうだい)投手(27)が母校の蒲郡高校野球部の3年生15人に贈ったTシャツが、部員へ手渡された。

 Tシャツは同高グラウンドで13日にあった「卒部式」で高井耕志監督(42)から渡された。プレゼントの存在を知らなかった15人は驚き、歓声をあげた。さっそく袖を通し、笑顔で記念写真におさまった。

 同高にとってもコロナの影響は大きかった。全体練習は3月1日からできなくなり、再開したのは6月第3週だった。1カ月足らずの準備で臨んだ夏の独自大会では、1回戦で強豪の成章に敗れたものの、0―2の接戦を演じた。高井監督は「休校中も自分たちでしっかり練習するなど、3年生は野球への意識が高かった。よく頑張った」とたたえる。

 千賀投手は2008年~11年に県立の同高に在学。高校時代、甲子園出場はならなかったが、育成選手としてソフトバンクに入団し、球界を代表する右腕に成長した。今季はパ・リーグ最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の投手3冠に輝き、ベストナイン、三井ゴールデングラブ賞にも輝いた。先発を任された日本シリーズ第1戦では巨人を7回無失点に抑え、チームの4年連続日本一に貢献した。

 「大変な思いをした3年生に何かさせて欲しい」と野球部に申し出があった。卒部式に千賀投手は立ち会えなかったが、Tシャツの胸には「一戦必勝」のほか、母校や後輩への思いを示すように「GAMAGORI」「SENGA」とプリントされている。

 主将を務めた富田光太朗さん(3年)は「みんなに自慢できる。家に飾っておこうと思う」と、左袖に自分の名前も入ったTシャツに誇らしげだった。高井監督は「先輩といっても、普段、千賀投手は遠い存在だが、こうしたことで近くに感じられ、選手にとっては励みになる」と感謝していた。(渋谷正章)