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 認知症の人やその家族向けの新型コロナウイルス対策として、広島大は感染予防の工夫や日常生活での要点をまとめたパンフレットを作り、ウェブ(http://inclusivesociety.jp/project.html別ウインドウで開きます)で今月から公開を始めた。日本老年医学会などと介護・医療現場を調査し、その結果を反映させたという。

 パンフレットは19ページ。文字が大きい43ページ版もある。症状に応じた感染予防の知識▽感染流行による介護保険サービス縮小への備え▽毎日続ける三つのポイント、を易しく解説している。認知症の人は症状を自覚しにくい場合もあるため、「いつもと違う小さな変化」に周囲が早く気づく重要性も説いた。具体的な行動方法や、参考になる情報サイトも紹介している。

 同大大学院医系科学研究科の石井伸弥特任教授(老年医学)らが6~8月、全国の介護・医療施設や介護支援専門員、専門医らに対し、認知症の人へのコロナ禍の影響などを尋ねた。結果を分析したところ、外出自粛や面会制限といった日常生活の変化が、認知機能や身体活動の低下につながるといった課題が浮かび上がったという。

 国などによると、認知症の人は近年500万人を超え、今後も増加が見込まれる。石井教授は「認知症は誰もがなりうる。ご本人や家族の不安が少しでも和らげられ、コロナに対応していく助けになれば」と話す。パンフレットは随時、内容を更新するという。(北村浩貴)