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 1923年の関東大震災の直後、流言飛語をもとに朝鮮人虐殺が相次ぐなか、日本人が犠牲になる事件も起きた。香川県の被差別部落出身の行商団9人が千葉県で自警団に惨殺された。ドキュメンタリー作品で知られる映画監督の森達也さん(64)がこの「福田村事件」を題材に初めての劇映画づくりに挑む。震災から100年となる2023年の公開を目指している。

 今年11月、森さんと脚本家の佐伯俊道さん(71)らが行商団の故郷、香川県三豊市を訪れた。脚本を書く取材のためだ。

 2人を自宅に迎えた女性(76)は、義父の大前春義さん(故人)について語った。「目の前で仲間が殺される様子が浮かぶんでしょうな。一杯飲んだら、泣いて大きな声を出して――」

 春義さんは行商団の一員として、13歳の時に福田村事件に遭った。半世紀以上が過ぎた86年に民間団体の調査に対して初めて証言するまで、家族にも事件のことは一切語らなかった。

 生存者の証言などによると、一…

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