[PR]

 政府は21日、一般会計の総額が106兆6097億円となる2021年度の当初予算案を閣議決定した。前年度から約3兆9千億円増え、9年連続で過去最大を更新した。100兆円を超えるのは3年連続。新型コロナウイルスの影響で税収は落ち込み、国の借金である国債の新規発行額は当初予算案としては11年ぶりに増える。予算の約4割を借金に頼ることになり、財政状況が一層厳しくなる。

 新型コロナウイルスの感染拡大などに迅速に対応できるよう、過去最大の5兆5千億円の予備費を計上。感染対策として小児外来や一般診療の診療報酬を特例的に加算するため計434億円を計上したほか、保健所の体制強化に6億円、水際対策の強化などに207億円も盛り込んだ。

 歳出全体の約3分の1を占める社会保障費は、前年度当初より1500億円ほど増え、35兆8421億円とした。3年に1度見直す介護報酬や障害福祉サービス等報酬は、コロナ対応を支援する特例分も含めて引き上げ、現場の処遇改善などにつなげる。一方で、医療用医薬品の公定価格である「薬価」は引き下げ、国の社会保障費を約1千億円圧縮する。後期高齢者の人口の伸びが一時的に鈍ることもあり、社会保障費の伸びは例年より小さくなった。

 子育てや教育関連では、待機児童の解消に向け、21年度から4年間で保育の受け皿約14万人分を整備するほか、来年度から5年間で公立小学校の1学級を35人以下にする。来年度から小2を対象に実施するのに必要な3億円を盛り込んだ。

 防衛費は、5兆3235億円と、7年連続で過去最大を更新。航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発費として576億円を計上した。

 今回は菅政権初めての当初予算案の編成で、菅首相が公約に掲げたIT政策の司令塔「デジタル庁」の設置に関わる費用として81億円を投じる。コロナによる経済の落ち込みで地方自治体の税収が減るため、その穴埋めとして自治体に配る地方交付税も1396億円増やし、15兆9489億円にする。

 コロナ対応で膨らむ経費を賄う歳入面は、まさに火の車だ。コロナによる経済の落ち込みで、税収は57兆4480億円と、当初予算案としては11年ぶりの減少を見込んだ。過去最高を見込んでいた前年度当初からは6兆円以上も減ることになる。それを補うため、新たな国債の発行額は43兆5970億円と、当初では7年ぶりに40兆円を超える。この結果、来年度末の国債発行残高は、990兆3066億円と、1千兆円の大台に迫る見通しだ。(津阪直樹)