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 「内政干渉をする気は全くないが、総理が日本の指導者であり続けることが自分にとり望ましい」。1989年9月1日、ホワイトハウスの米大統領執務室。同席者わずかの日米首相会談でブッシュ大統領が海部俊樹首相に語りかけた。

 当時は自民党政権にスキャンダルが相次ぎ、89年にブッシュ氏が大統領に就任してから3人目の首相として海部氏が登場。米ソ対立の構図が揺らぐ冷戦末期、同盟国日本の混乱を案じるブッシュ氏の様子が、外務省が23日に公開した外交文書に表れていた。

 日米首脳会談の少人数会合では互いの国内政治情勢をやり取りすることがあるが、会談後の外部への説明ではほとんど伏せられる。この会談の極秘議事録によると、海部氏は自民党が大敗した89年の参院選に触れ、「(躍進した)社会党はまだ非武装中立を掲げている」と説明。うなずくブッシュ氏に「このことを肝に銘じ次回選挙では奮闘する」と語った。

 当時野党第1党の社会党がもし政権を取った場合の日米同盟への悪影響を海部氏は示唆した形で、ブッシュ氏もこれに同調。「日本が米国に背を向けることは米国のアジアでの防衛プレゼンスに深刻な影響を与えるとの懸念」を示した。

 ブッシュ氏は日米貿易摩擦との…

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