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 香港ではいま、何が起きているのか。日本の人にもよく知って欲しい――。日本に住む香港人の若者たちが、昨年、香港で続いた大規模デモで実際に使われた自家製のガスマスクやヘルメットなどを展示する展覧会を開いた。民主派の抗議活動やこれを封じ込めようとする警察部隊の動きなどについて、若者たちが直接、訪れた参観者に丁寧に解説していた。

 東京都の目黒区美術館区民ギャラリーで16~20日に開かれた展覧会のテーマは、「友よ、水になれ 従うか逆らうか」。ブルース・リーの言葉にちなんだもので、水のように融通無碍(むげ)に自由のために闘う民主派の動きを表すものだという。

 会場にはデモの経緯などを説明したパネルなどとともに、香港から運びこまれたデモ参加者の服などが並んだ。なかには、民主派の若者たちが昨年の一連の抗議活動でシンボルに掲げた香港の「自由の女神」像の実物の一部も。昨年11月に香港の街を見下ろすライオンロック(獅子山)に置かれたが、破壊され、その頭の部分を香港から運び込んだという。

 逃亡犯条例改正案への反対に端を発した昨年の一連の大規模デモでは警察隊とデモ隊が激しい衝突をくり返した。当局側は鎮圧姿勢を強め、1万人以上が拘束されたほか警察による実弾発砲で重傷者も出た。

 デモを封じ込めるために中国が今年6月に成立させた香港国家安全維持法は、香港以外での反体制的な言動も取り締まりの対象としている。このため、日本にいる若者たちも互いにニックネームなどで呼び合い、人物の特定につながるような写真撮影などは断っているという。

 それでも、何か香港のことを伝える活動はできないかと考えたのが展覧会の開催だった。5日間で訪れた参観者は計786人に上ったという。

 「香港では自由に対する締め付けが強まっており、やれることは限られている。いまは海外にいる私たちががんばらなければと思う。多くの日本人に香港のことを知って欲しい」。案内をしてくれた女性は真剣な表情でそう話していた。