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 水虫などの皮膚病用の薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、小林化工(福井県あわら市)が、この薬以外でも複数の薬で厚生労働省の承認外となる省令違反の作業手順で製造したことがわかった。同省幹部が取材に明かし「重大な過失がある」として、過去最長規模の業務停止処分を科す見方を示した。21日、同省は県などと同社に立ち入り調査に入った。

 同省幹部は、承認外の作業手順について、これまで明らかになっている製造工程で成分を補充するという違反とは別に、新たな手順違反が県の立ち入り調査で確認されたとした。

 立ち入り後、同省担当者は実際に処分するのは県になるとの考えを示した。

 問題の薬は、健康被害の報告があるイトラコナゾール錠50「MEEK」。主成分の量が異なる100、200も含めたシリーズが承認外の作業手順で製造されたことがわかり、同社が自主回収を進めている。このうち50では、補充をする際、誤って睡眠導入剤の成分を入れる二重のミスをしていた。

 同省によれば、業務停止命令は過去110日間が最長。承認外の手順で血液製剤を製造したとして、2016年に化学及(および)血清療法研究所(熊本市)に対して出された。

 同省監視指導・麻薬対策課の田中徹課長は報道陣に「110日以上となるのかはわからないが、同等規模の厳しい処分になることは間違いない」と話した。

 同省と県、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」は同日、承認を受けた成分以外の成分を混入させた薬を市場に流通させたとして医薬品医療機器法違反の可能性があるとして調査に入った。調査は数日間続く見通し。

 同社によれば、20日時点で155人が意識消失などの健康被害を訴え、服用の影響とみられる交通事故は21件にのぼる。(平野尚紀、三井新、大西明梨)

小林化工の混入問題の経緯

6月1日 イトラコナゾール錠50「MEEK」のロット番号T0EG08の製品の製造を始める

9月28日 同製品の出荷開始

12月1日 初めて健康被害が報告される

  4日 同社が問題公表。健康被害の訴えが相次ぎ、100錠入り929箱の自主回収を始める

  9日 医薬品医療機器法違反にあたる可能性があるとみて、福井県が立ち入り調査

  10日 首都圏の病院に入院していた服用者の70代女性が死亡

  11日 同製品が31都道府県の医療機関などで364人に処方されたことが判明

  12日 小林広幸社長が「責任の重大さを痛感している」と謝罪

  14日 福井県警が初めて現場担当者から製造工程について説明を聞く。同社が全289製品の出荷を停止

  17日 中部地方で入院中の80代男性が11月23日に死亡したと発表。処方した364人への慰謝料30万円の支払いも発表

  21日 厚生労働省が県などと合同で立ち入り調査。複数の薬が承認外の手順で製造されたと同省幹部が説明