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 11月の米大統領選では世論調査が4年前に続き、トランプ大統領への支持を実際より低く見てしまった。世論調査を担う人たちの間では、トランプ氏がメディアや世論調査機関を攻撃し続けてきた結果、調査の信頼性そのものが損なわれている、との懸念も出ている。(ワシントン=園田耕司)

「トランプ支持」、低く測定の傾向

 大統領選をめぐっては様々な報道機関や大学、世論調査会社が調査を実施している。手法も様々だが、多くの調査ではバイデン次期大統領が優勢だった。複数の世論調査を比較している政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」(RCP)による支持率の最終平均は、バイデン氏が51・2%、トランプ氏が44・0%で、バイデン氏が7・2ポイントリードしていた。

 しかし、実際の得票率はバイデン氏が51・4%、トランプ氏が46・9%で、差は4・5ポイント。誤差は2・7ポイントで、4年前の1・1ポイントより大きくなった。

 州ごとの調査でも、トランプ氏の支持が調査で低く測定される傾向にあった。フロリダ、ウィスコンシン、オハイオ、アイオワの各州では、RCPの最終平均と実際の得票率を比べると、トランプ氏が4~7ポイント強かった。例えば、フロリダ州の世論調査ではバイデン氏が0・9ポイントリードしていたが、実際にはトランプ氏が3・3ポイント差で勝利した。ウィスコンシン州では、バイデン氏が世論調査で6・7ポイントと安定したリードだったが、実際の得票率はわずか0・7ポイント差だった。

 誤差があまりない州もあった。ペンシルベニア、ノースカロライナ、ミシガン、アリゾナ各州では、RCPの最終平均と実際の得票率の差は1・5ポイント以内だった。

 ただ、大統領選と同時に行われた上下院選でも、世論調査で共和党候補の支持が低く出る傾向があった。ノースカロライナ州やメーン州の上院選は民主党の新顔が世論調査でリードしながら、共和党現職が勝利した。アイオワ州やサウスカロライナ州も「接戦」とされていたが、実際には共和党現職が余裕で勝利した。下院選では民主党が過半数を維持したものの、議席を増やすとの予測に反して、減らした。

問題は「正直に話さない社会」

 米国の世論調査は、前回大統領選でもトランプ氏の支持を低く見たことが問題となった。世論調査業界も改善に取り組んできただけに、衝撃は大きい。

 2016年の調査をめぐっては、トランプ氏を支持していることを調査で認めたくない「隠れトランプ支持者」の影響が取りざたされた。米世論調査協会が17年にまとめた報告書では、大卒未満の有権者の回答率の低さが考慮されていなかった点などを指摘する一方、「隠れトランプ支持者」については否定的な見解を取った。

 しかし、今回は多くの調査が学歴による回答の違いなどを考慮したにもかかわらず、再びトランプ氏の支持を低く見てしまった。

 米モンマス大の世論調査研究所…

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