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 厚生労働省は21日、毎年末に公表している出生数や死亡数などを含む人口動態統計の年間推計について、今年度は公表しないことを明らかにした。新型コロナウイルスの影響などで例年と動向が異なり、推計が難しいためとし、確定数は来年の公表を予定している。

 人口動態統計では、その年の1~10月の市町村への届け出をもとに、毎年末に年全体の推計値を計算して発表している。

 だが、厚労省によると、高齢化で増加傾向だった死亡数が今年は10月まで減少傾向▽婚姻件数が月により大幅に変動▽離婚件数が4月以降、大幅に減少▽出生数や死産数、妊娠届け出数が5月以降に大幅に減少――といった変化が起きている。新型コロナが影響した可能性があるとみられ、例年のように11、12月の数値を推計すると実態とかけ離れた値になるおそれがあるという。

 今年9月に発表した昨年の確定値では、出生数が統計を始めた1899年以降、初めて90万人を下回る86万5239人となり、「86万ショック」と呼ばれた。今年の出生数は1~10月までの速報値では昨年をさらに約1万7千人(2・3%)下回って推移しており、動向が注目されていた。

 田村憲久厚労相は21日の閣議後会見で「例年と違い不確定要素が多く、推計で精度が高い数字が出てこない」とし、年末の推計は「公表を控えさせていただく」と述べた。概数は来年6月、確定数は9月に、それぞれ例年通り公表する予定という。(石川春菜)