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 新型コロナウイルスが再び猛威をふるう中で迎えた師走。大阪・ミナミの街はクリスマスを前にして人影もまばらだ。雑居ビルの4階にあるスナック「蓮華(れんか)」のドアを開けると、ママの福山はるみさん(68)が薄暗い店内で片付けをしていた。

 新型コロナウイルスの影響で営業は「自粛」。客から頼まれた時だけ、午後9時まで店を開ける。12月の売り上げは昨年の1割以下で、従業員の給料を払うと手元に残るお金はわずか。家賃の支払いのため、貯金を取り崩しながらの生活だが、店への思いは強い。

 「ちあきが帰ってくるまで、潰すわけにいかんからね。なんとしても守りとおさないかん」

 1991年11月3日、その日は日曜だった。ラウンジでの仕事を終えて早朝に帰宅すると、当時18歳の高校3年生だった長女ちあきさんは子ども向けの戦隊ショーのアルバイトに出かけるところだった。「気を付けていってきいよ」「はーい。いってきまーす」。いつもの明るい返事を残し、こつぜんと姿を消した。

 アルバイトからの帰り道に、当…

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